にんげんに擬態
夜。
不安は胃袋を食べ物で埋めることでより強まる気がする。
夕飯にもろきゅうもどきを食べた。
みりんを煮切らないで入れたから酒臭くないかと思ったけれど、食べてみるとよく知る味だった。
一生これを食べていれば痩せるのでは。
とかいいながらさやえんどうスナックを食べ、同居の人にすぐバレた。
しょうもない。
食べたものをきちんと消化し、また食べているため、体重は増える一方である。
人のふりをするのは疲れる。
一人暮らしの心地よい適当さに思いを馳せる。
あの頃はダイエットが捗っていたなあ。
夜唸るほど寂しかったことはもう忘れた。
今は、家に他人がいることの安心感と、煩わしさに夢中になっている。
だけど、たまに全部放り捨てて、真の孤独になってやる、と思うときがある。